横断的研究プロジェクト - 令和5年度
プロジェクト提案型(新規)
高温·強光の複合ストレスに対する植物の順化機構の解明と耐性植物開発
研究代表者:山口大学 真野 純一 教授
地球温暖化の農業生産への影響が大きな問題となりつつある。野外では高温ストレスは他のストレス(強光,乾燥など)と複合されて植物に作用する。本事業では植物の高温·強光複合ストレス耐性機構を解明する。長期的には本事業で得られた知見を作物に適用し,高温·強光ストレス耐性作物の開発を目指す。
昆虫-植物ネットワークを対象とした環境DNA手法の開発
研究代表者:鳥取大学 唐澤 重考 教授
水中や土壌などの環境から生物由来のDNAを抽出して生物相を解析する環境DNAは生物多様性研究の新たな手法として急速に発展している。しかし、その多くは水域生態系を対象としたもので陸上生態系においては未だに発展途上といえる。そこで、本プロジェクトでは、様々な陸上生態系において普遍的にみられる昆虫-植物ネットワークを対象とした環境DNA手法の開発を試みる。
DX技術を活用した農産物の環境適応性評価と対策プロジェクト
研究代表者:鳥取大学 竹村 圭弘 准教授
農業生産の現場では、高齢化や労働力不足に対応するため、デジタル技術を活用した農業のデジタルトランスフォーメーション(農業DX)を実現することが不可欠とされている。本課題では、農業DX技術を活用することで作物·野菜·果樹等の様々な農産物の生育状況を評価し、環境変動に適応するための新たな栽培技術を検討する。
プロジェクト提案型(継続)
南極微生物からの有用物質·機能·形質の特定
研究代表者:島根大学 林 昌平 准教授
南極大陸の土砂サンプルから単離した細菌から、虫歯菌や緑膿菌のバイオフィルム形成を阻害する物質、雑草の種子発芽を抑制する物質、特徴的な脂肪酸の分解能を探索した。複数の異なる細菌株がバイオフィルム形成を抑制する物質、種子発芽に影響を及ぼす物質を生産した。現在、その生理活性物質を大量生産させ、化学構造を決定している。
地方創生型研究に向けた「酒育研究会」の活用
研究代表者:山口大学 荒木 英樹 教授
「酒育研究会」は、鳥取大学、島根大学、山口大学で「酒」をキーワードに活動する研究者を組織化することによって、中国地方の酒造業や原料生産業における課題を掘り出し、それを解決できる研究や人材育成の基盤を形成しようとしている。酒造組合など地域の生産団体との連携を深めるため、情報交換会や公開セミナーなどを開催している。
指定課題応募型
植物資源の保全と利活用プロジェクト
研究代表者:鳥取大学 上中 弘典 准教授
植物は我々の食·生活から自然生態系まで幅広い対象を支える重要な存在であるが、資源としての保全と利活用が重要な課題となっている。本プロジェクトでは、ラボからフィールドまでの異なる場での研究により、「植物資源の保全と利活用」に貢献できる保全活動と新技術開発、および植物機能の利活用について成果を広く得ることを目指す。
地域農産物の活用プロジェクト ---機能性提示による付加価値向上---
研究代表者:鳥取大学 藪田 行哲 准教授
申請者らはこれまでの研究を通じて、優れたモデル生物·線虫Caenorhabditis elegansが食品·栄養学的研究における強力な解析ツールになることを実証した。本プロジェクトでは線虫を用い、地域農水産資源の規格外品·廃棄部などから老化·種々の疾病発症の抑制機能を有する農水産物を探索し、当該機能の作用機序の解明を目指す。