持続性社会構築に向けた菌類きのこ資源活用

基盤研究グループ

遺伝資源基盤研究グループ 基盤研究グループ:
「新規遺伝資源の発掘と菌類きのこ同定システムの開発」
tomato

トマト葉上の植物病原菌→

胞子(黄色)が発芽して葉組織内に侵入しようとしています

リーダーの紹介

児玉 基一朗
植物病理学者
Prof. Motoichiro KODAMA
Plant Pathologist
kodama
私の専門は、「植物病理学」、「植物微生物相互作用学」および「菌学」です。 特に植物病原糸状菌の発病戦略と植物の耐病性の仕組みを分子レベルで明らかにすることを研究テーマとしています。 植物に病気を引き起こす"かび"の仲間は、一般的には有害菌として邪魔もの扱いされていますが、役に立つきのこ類に代表される有用菌と同様、私たちの住む世界を構成する重要な菌類グループであり、遺伝資源と見なされるべき対象です。 植物の病気は数千種類以上もあり、世界中の農作物に大きなダメージを与えています。このような植物病原菌は、いつどこでどのように生まれ、現在の姿に進化してきたのでしょうか?そして将来、どんな植物病害の脅威が私たちを襲うのでしょうか? このような植物病の発生の謎、進化の仕組みを明らかにして、新たな植物保護手段の開発、新病害発生の予測につなげたい、というのが私たちの夢です。そして、世界各地において採集された植物病原菌コレクションは、植物病研究になくてはならない貴重な遺伝資源です。 これまでに、メキシコ、チリ、エクアドルなど中南米各地において、菌株採集を行ってきました。本グループでは、日本および海外で採集された有用・有害菌類きのこ遺伝資源の保存、解析を進め、統合的データベースを構築して、菌類きのこ遺伝資源の教育研究分野における活用を図ることを目指しています。 また、有用菌および有害菌の中でモデル菌株を設定し、ゲノム解析を基盤とする菌類きのこの遺伝子機能、分類、進化に関する研究を進めています。
 

グループの活動

基盤研究グループでは、菌類きのこ遺伝資源の発掘、評価および保存、高品質遺伝資源の蓄積、さらに、遺伝子情報を含む統合データベース/遺伝資源バンクの構築を目指しています。具体的には、日本国内はもとより、世界規模で菌類きのこ遺伝資源の収集を推進します。収集菌株の同定および評価を厳密に行い、新規遺伝資源の発掘を進めます。得られた高品質遺伝資源を蓄積保存し、きのこ類を中心とした世界トップクラスの遺伝資源バンクを確立する予定です。また、収集した遺伝資源について、形態レベルと遺伝子レベルの情報を組み合わせた菌類きのこ遺伝資源データベースを構築し、データベースを用いた菌類きのこ同定システムの開発を目指します。高品質遺伝資源バンクは、持続性のある生存環境社会の構築に不可欠である「環境保全」、「食料生産」および「健康増進」を目的とした、幅広い活用が期待されます。

図

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事業推進担当者

前川二太郎 〔連合農学研究科 生物環境科学専攻 教授 〕
児玉基一朗 〔連合農学研究科 生物環境科学専攻 教授〕
伊藤 真一 〔連合農学研究科 生物環境科学専攻 教授(山口大学)〕
難波 栄二 〔生命機能研究支援センター 教授〕
松本 晃幸 〔連合農学研究科 生物環境科学専攻 教授〕
中桐 昭 〔連合農学研究科 生物環境科学専攻 教授〕

協力研究者

板井 章浩〔連合農学研究科 生物生産科学専攻 准教授〕
早乙女 梢〔農学部附属菌類きのこ遺伝資源研究センター 助教〕
白水 貴〔農学部附属菌類きのこ遺伝資源研究センター 助教〕